ソクラテス以前の初期ギリシア哲学とは
そもそも哲学ってなにかしら、といいはじめると、哲学「以外」は何かということを厳密に定義しなくてはいけないので、ここではあまり深く考えずに、人間が考えたいろいろな自然哲学というようにとらえておくといいと思う。
ここで覚えておきたいのは、イオニア自然哲学を生み出した「ミレトス派」と、パルメニデスを中心とした「エレア派」、そして紀元前8世紀ごろのアナクサゴラスという哲学者だろう。
ミレトス派
初期の哲学でタレスを中心としてつくられたもの。自然の5要素などとよく耳にすることがあるが「火、風、雲、水、土」からさまざまな物質がつくらていると考えられていた。まるでRPGのクリスタルみたいだが、歴史的事実なのでしようがない。後世、もっとも古い哲学を参照に作られたものであろう。
エレア派
対してエレア派は、パルメニデスが創始した考え方で弟子のゼノンを伴い、若きソクラテスにパルメニデスもアテナイで問答をしたことがあるという伝えもある。その後、エレア派では、エンペドクレスという火山に飛び込んだ(?)という伝説がある人物やアナクサゴラスという傑物を輩出し、イオニア哲学をアテナイに移入するという大業を成し遂げるので、覚えておきたいところ。
アナクサゴラス
彼は、あらゆる感覚的な性質を備えたまま、無限に小さく、無限の種類が無限の数だけあるという世界観を打ち出していく。この物質世界を<種子(スペルマ)>といった。いっぽうでミレトスのレウキッポストその弟子のデモクリトスは<原子(アトモン)>という概念を提案していく。
数学や物理で有名なピタゴラスは紀元前6世紀後半
ピタゴラスの定理などで知られるピタゴラスは、その名を冠したピタゴラス教団を率いたりした。また、そのほかにもインド宗教観に近しい「輪廻転生説」を唱えることや、協和和音という美しい音の重ね合わせ原理を発見し、その名を残した。